前後にずらした方も、カレンダー通りの方も、そろそろ皆様お休み明けを迎えられた頃かと思います。
パフュームのスタッフも12日から15日までの4日間夏休みをいただき、それぞれ思い思いの夏休みを過ごしました。船で海に出て夏を満喫する人、家でのんびり過ごす人、都内だけれど、いろいろなところに出かけた人、弾丸旅行だけれどなんとか海外旅行に行った人。いずれにせよ、各々がよい夏休みを過ごさせていただきました。
フランスのバカンスについては少しだけご紹介したと思いますが、今回は行き先のお話。
フランスは現在不景気で、年々少しずつ長期バカンスに旅立つ人は減少傾向にあるようです。そのため、割高な海外は避けて国内、しかも身近な場所でバカンスを過ごした人が多かったのだそうです。
バカンスの主な過ごし方としては、
1.海外のバカンス村(モルジブ、セイシェル、グワラループなどの海外フランス領土、アジア、アフリカのリゾート地などなど)
2.国内のバカンス村(地中海クラブは日本人にもお馴染みです。いろんなバカンス村があります)
3.国内でアパート、貸し別荘を個人間で賃貸
4.国内のキャンプ場
だそうで、中でも3を用いてバカンスする人が私の周りのフランス人には多く感じられました。
いずれも滞在期間は最短1週間。大体2週間が平均でなかには3-4週間のバカンスを取る人もいます。いずれにしても年間で5週間の休暇をとるというのが法律のフランスでは、夏のバカンスに1週間以内はありえないということですね。
1.2のバカンス村はホテル内での宿泊、食事付き、あるいは食事はなしで、バカンス村内のキッチンのある貸し別荘に滞在をいう2パターンがあります。
どちらの場合も、子どもクラブ、アクティビティが込みになっていて、子どもは生後3ヶ月くらいからバカンス村内の託児所に無料で預けられてようになっています。
つまり、大人は子どもの相手に時間を費やすことなく、自由に楽しめるというのがシステムの基本です。
バカンス村内にはプールを始め、テニスなどのスポーツ施設があり、施設外のダイビングツアー、観光ツアー、ヨット、カヌー、ジェットスキーなどの無料、有料ツアーが毎日組まれていて、自由に参加できるようになっています。
施設内でも毎日、ダンス、アクアビクス、水彩画、マッサージ、アーチェリー、バレーボール、カラオケ、ディスコ、などなど、滞在客が飽きないように朝の9時から、夜中まで、いろいろなアクティビティが用意されています。
3.は多くの場合、インターネットでの個人間の賃貸です。海近くのアパートの賃貸料は2部屋のアパートで週500-800ユーロくらいになるでしょうか?週単位の賃貸で、3週間目は割引になることが多いです。
カバン一つで暮らせるように家具つきのアパートになっています。
4.は郊外の大きなキャンプ場にプールや子どもの遊び場が設備されていて、そこに自分でテントをはるか、キャンピングカーで乗りつけるか、あるいはモビホームと呼ばれる、簡易住居を借りるかになります。
シャワーやトイレが共用だったり、「個人」の部分は少なくなりますが、その分、周りの人と仲良くなる機会が一杯あるのでは?と思います。
金額的にはかなりお手頃ですが、台風や雷雨に当たるとトホホ状態になることも少なくありません。
システム的には2のバカンス村のお手軽版といった感じです。
1から4のどれを選択しても、もちろんさまざまな不便やトラブルがつきものなのもフランスですが、フランス人ははよくも悪くも、とにかく“バカンス至上主義”。そのため、バカンスのせいで起こる多少の不便に対しても、寛容な印象があります。夏の期間は沢山のお店が休みになっていたり、都市機能が中断されたり、海や保養地などでの渋滞や混雑がひどかったりするそうですが、「しかたない、だってバカンスだもの(=「C’est les vacances.」)」の一言でなにがあっても済まされてしまします。
バカンス過ごし上手なフランス人。彼らにとってバカンスとは、バカンスを通して、自分の国の季節、自然、文化、歴史を存分に楽しむ。子供の頃からそうして過ごす機会が多いほど、自分の国を愛する気持ちが育まれていく。そんな考え方もフランス人にはあるのかもしれません。
さて、皆様はどんな夏休みを過ごしましたか??
※ちなみに写真は、私が去年のバカンスで行ったボルドー近郊のピラ砂漠です。
サービススタッフ 萩原 瑛世